彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

桜という名前から、子供が生まれたのは春頃みたいだ。


家が建って年中湿り気を帯びている土の中では、四季の感覚はほとんどなかった。


ただ、月日が経つにつれて土の中の生き物は増えて行った。


湿った場所を好む虫が集まりだしたのだ。


虫たちは自分が生きていくのに適した環境をどうやって探しているのだろう。


虫達には元々知った場所を探せる力があるのかもしれない。


はたまた歩いて歩いて歩き回って、偶然見つけた場所なのかもしれない。


どちらにしても、あたしが虫たちを追い払う権利はなさそうだった。


本来土の中というのは人間の暮らす場所でもない。


それに、あたしは同じ空間に生き物がいることが嬉しかった。
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