彼に殺されたあたしの体
「嘘だろ」


先生の一言が、あたしのはしゃいだ気持ちを一変させた。


ついさっきの長いキスが嘘のように、冷めた声をしている先生。


「え……?」


「嘘だろ、そんなの」


再び先生が言った。


あたしは自分の表情が徐々に凍り付いていくのを感じていた。


笑顔が消え、筋肉が硬直してしまった感じがする。


「嘘じゃ……ないよ?」


なさけないくらいに声が震えていた。


あたしが嘘をつく必要なんてどこにもない。


そんな事先生が一番よく知っているじゃない。


「妊娠したとか言って、俺を引き止めるつもりなんだろ」
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