彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

次に目が覚めた時、あたしは保健室のベッドの上に寝かされていた。


顔を巡らせてみると、ベッドの横にメイが座り漢文の教科書に視線を落としているのが見えた。


「メイ……?」


名前を呼ぶとメイはハッとした表情になり、教科書からあたしへと視線を移動させた。


「美彩! 気が付いた?」


「うん……」


そう返事をして上半身を起こそうとしたところを、メイに止められた。


「まだ寝てなきゃダメだよ」


「でも……今授業中だよね?」


保健室の外は静かで、休憩時間のようなにぎやかさを感じない。


午後の授業がすでに始まっているのは、わかっていた。
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