彼に殺されたあたしの体
先生は肩で呼吸を繰り返していて、その目には涙が浮かんでいる。


どうしたの?


そう聞こうとしても、口の中の血が邪魔をして声にならなかった。


そしてゆっくりと視線を下へ向ける。


ジワリジワリと制服のブラウスが赤に染まっていくのが見えた。


なに、これ。


ねぇ、これは一体なんなの?


その赤い液体はブラウスでは吸いとることができなくなり、スカートを伝って床に落ちた。


あ、汚してしまう。


先生の部屋を汚したらまた先生を困らせてしまうことになる。


だから、あたしは外へ出ようと思って立ち上がったんだ。


だけど、体を動かした瞬間ボトボトと赤い液体が大量に床へ落ちた。
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