彼に殺されたあたしの体
ごめんなさい。


ごめんなさい先生。


「アッ……ゴホッ!」


むせて、また血を吐いた。


床は赤い液体で水たまりを作っている。


その液体はヌルヌルとしていて生温かく、鉄の香りがしていた。


まるでそれは血のようで……。


血?


あたしはその場に立ったまま、自分の胸に手を当てた。


手がなにかに触れる。


胸にないはずのものが、胸から伸びて出ているような感じだ。


え?


なに、これ?
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