神風の如く






「新八っさん、やめてあげなよ~
蓮はいやがってるよ?」





そして、この少し小柄で、可愛い顔をしているのが、八番隊組長、藤堂平助





突然入ってきた華蓮にも、気軽に接してくれている





この三人は幹部の中でも、とても仲がよいと有名だ






「あの、原田さん
お疲れでしょうから、部屋で休んでいてください
食事の用意はなんとかなりますから」





華蓮はまだ一度も巡察には出たことがないからわからないが、この前沖田が───





──巡察は命がけ、なんですよ───





と言っていた





それほど大変なのだろう





ならば、常に屯所にいる自分にできることはこれくらいだ





「いや、気持ちは嬉しいが……その、本当にいいのか?」





「はい、土方さんには黙っておきますから」





こんなこと、あの人にバレたらただでは済まされない





「そういうことじゃ、ないんだけどな……

まあでも、助かるよ、頼むな」






「はい、では」











────そう、こうやって人の仕事までやってしまうのだ






< 40 / 300 >

この作品をシェア

pagetop