偽フィアンセは次期社長!?
あたしはあの時、嫉妬をしていた。


架空のフィアンセに。


あたしが演じた″周磨さんのフィアンセ″という立場に。


あんな風に優しく見つめられて、


あんな風に大切に扱われて。



あたしは単に役割を演じただけだったけど、いつかあんな風にしてもらえる人が本当に出てくるわけで。


羨ましいと思った。



でもそれは、勿論課長が好きだとかそういうことではなくて、


あたしが単に″誰かの大切な人″という立場に飢えているからなんだろうな。



幸せになりたい。


誰かの特別な存在になりたい。


改めて、そんな自分の気持ちに気付く。
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