偽フィアンセは次期社長!?
一回履いた靴だって嫌なのにガンガンに履いていたのを人の車に置いてくるなんて、完全に罰ゲームレベルだよね。お互いに。


どうしよう。


とりあえず、えーと……。


結局、高級小物達のこともうやむやになってしまったけれど、あたしのすべきことは……


『本当に申し訳ありませんでした。月曜日、取りに伺います!!!』


謝罪です、謝罪。


ああもう。


よりによって、あんな地味な靴を置いてくるなんて。


課長はモテモテだろうから、あんなババ臭い色のぺたんこパンプスを履いている人なんて対象外なんだろうな。


それこそ、ルブタンとか履きこなしちゃうような、モデルみたいな人が隣にいれば、凄く絵になる。


……しょうもないことを妄想していないで、寝よう。


あたしは、今日のことを思い返すだけでどっと疲れを感じて、急いで目を閉じ布団をかぶった。
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