偽フィアンセは次期社長!?
「分かった分かった、んじゃ、こうしよう」


「……なんですか?」


「俺も、もう脅したりしねーから。とりあえず、この件だけ付き合え。乗り掛かった舟、ってやつだろ」


「……はあ……」


なんだか、もう。


「て言うか、来月あの二人にお礼食事会招待されてんだよ、それもあるし」


……いや、長時間じゃ絶対ボロが出るって。


それに、それに……こんなこと絶対課長には言えないけど、あたしはもうあの『フィアンセ役』はしたくない。


ドキドキしてしまうから。


変な気分になってしまうから。


いつか現れる『課長のフィアンセ』を羨んでしまいそうだから。


…………何言ってんだ、あたし。


「今度は、服とか、美容室とか朝からびっちりつめて決めてかねーとなー」
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