偽フィアンセは次期社長!?
課長がぽん、と手を叩く。


「いいこと思い付いたぞ」


今度は何ですか、と言いたい気持ちを抑えて課長の整った顔を仰ぎ見る。


「本当に付き合うか、俺達」


「………………っ」


ビックリしすぎて声が出ない。


頬にキスをされたときの感じと似ているかも。


「だって面倒だろ、いちいちいちいち、お前うるさいし……低いところから」


背が低くてすいませんね、じゃなくて。


何言っちゃってるの、この人。


「…………えーと……」


何からどう言えばいいんだろう。


「そうだよ。そうすれば、いちいち聞かれる『課長、お付き合いしてる人いるんですか?フガフガ』系のうるさい話も、スルー出来るし!」


「あの……それ、あたしにはどんなメリットが……」


「……誰のお陰で、大事なオトモダチが病院に……」


ああ。そうでした。ちくしょう。
< 207 / 347 >

この作品をシェア

pagetop