偽フィアンセは次期社長!?
ブースでは、ニヤニヤした那由子が待ち構えていて。


「いやー、仁美も成長しましたねぇ」


「……な、何が?」


呼吸を整えながら聞いてみれば。


「好みのイケメンを走って追いかけるなんて……お母さん、嬉しい!!」


ちょ……!!!

誤解も誤解、甚だしい。


「お釣を渡し忘れたから、届けてきたの!」


あたしの返しに


「なぁんだ」


とかわいく首をすくめ、


「はい、その間にパンダとくま、売れたよー」


……とっとと切り替える那由子。


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