偽フィアンセは次期社長!?




「いやぁー、買いましたな」


「違うのよ、いつもブツブツ言ってたくせに、隼人の方があれも欲しいこれも欲しいって……」


あたし達の会話が絶対耳に入っているのに、口笛なんて吹きながら大量の戦利品をブースの奥で整理している隼人君。


やっぱり、いいコンビ。


思わず頬が緩んでしまう。


「ごめんね、留守番。混んだ?」


「いやー、それが、あたしって集客力ないって言うか……」


那由子夫妻が不在の間、思いっきり課長の事を考えてしまえる程に、時間にゆとりがあって。


「あ、売れたのは、えっとねー、那由子のあの皮製のブレスレット、シルバーモチーフの、それが2つとー……」


「……糸島さん?」


背後から不意に声を掛けられる。
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