偽フィアンセは次期社長!?
嫌な事や困った事や悲しい事や。

色んな事に立ち向かうのがキツいとき。


あたしはいつも言い訳してきた。


『もう若くない』

『キャラじゃない』


そのくせ、最善も尽くさずに、後から


『もっとこうすればよかった』

『ああ言えば何か違ったのかな』


後悔ばかりを繰り返して。


だから、あんなダメな男をふっ切るのにも時間が掛かったんだ。


今度は課長の残像に縛られるつもり?



「……ごめん、あたし、行ってくる」


那由子が大きく大きく頷く。


ふわり。


その顔は笑っていて、とても心強くて、あたしは背中をもう一押ししてもらった気がした。



課長、あたしに1度でいいから想いを伝える機会をください。
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