目のない絵描きと少女
「そんなところに立ってないでこっちにおいでよ。」と声をかけられた。
とにかく勝手に入ったことを謝らなくては…
焦ってベッドの近くまで行った。
カーテンを開けるか悩んだ。
でも止めた、顔を見るのが怖いから。
「あの…勝手に入ってすいませんでした。」
一枚の布越しに深々とお辞儀をした。
怒っているだろうか、でも声を聞く限りそういう風には感じない。
なら何を言われるのだろう。
恐怖で手が小刻みに震えている。
怖くてお辞儀の体勢のまま待っていると…
「別に怒ってないから大丈夫だよ。」と優しく言われる。
男子にしては高めの声だが甲高いわけではなく落ち着いていて安心する声だ。
ホッとして体を起こした。
「それよりもカーテンを開けてくれないかな?」
「あ、ごめんなさい!謝るのに相手の顔も見ずになんて失礼でしたよね。」
やっぱりカーテンは開けるべきだっか。
「いや気にしてないから大丈夫だよ」
クスクスと笑い声が布越しに聞こえる。
そっと…そっとカーテンを開ける。