魔界姫志ーまかいきしー


「オリ…」

「そんな不安そうな顔して。どうしたのよ?
貴方には笑顔が似合うわよ」

ほら、笑いなさい。とオリが私に近寄って頬を指差す。

ロイが死んでから私って笑った事あったかな…笑ってもいいのかな。

ロイ…私がこの世界に来たから殺されてしまった。
もう一度、会いたい。

会って謝りたいのに…それすらも叶わないなんて…。

「…教えてあげるわ、ユイ」

窓を開けて身を乗り出し月を眺めるオリを私も横目でチラリと見る。

それはどこか懐かしそうな横顔で。

私はオリの言葉の続きを待っているしかできなかった。

「アタシはこの宮殿に長い間居るんだけれど…貴方のお友達の過去も知っているのよ。

ルイ、だったかしら?
あの人の父親はこの国の王、レイだったわね。

そして、娘…ルイの妹に当たるミイ

その三人でこの国を守っていたわ。」

「ルイ」と言う単語が聞こえて私の肩は小さく跳ねた。

だって、まさかオリの口からルイの名前が出るなんて思っても見なかったから。

「王女である母親は彼等が幼い頃に病死したらしくて、それ以来 父親の態度が豹変してしまったのよ。

荒くなり、国民の事さえも考えなくなってね。

色々な不満の声も聞いて聞かぬ振りをしていたわ。」


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