フライング
「おしくらまんじゅう」
「……え?」
彼の口から突然飛び出した言葉に首をかしげた。
「おしくらまんじゅう、知らない?」
「知ってる……けど、それがどうかしたの?」
「あったまるって言うし。試しにやってみる?」
そう言ってニンマリ笑った彼。
子どもみたいなその笑顔に、一瞬騙されそうになったけど。
「だってそれ、何人かでやる遊びでしょ?
もしかして、あのふたりを巻き込んで……?
っていうか、ここで!?ないない!絶対イヤ!
……って、ジンくんっ!?」
彼は、私の話なんてまるで聞いていなかったみたいに私を抱き寄せる。
その拍子にフラついた私のからだを支えると、彼の左側と私の右側がぴったりくっついてしまった。
「おっ、しくらまんじゅう」
「……っ、無理っ!ヤダヤダ」