フライング
「ちょっとぉ、あんたたちー」
「公衆の面前で、いかがわしいことするなよー」
数メートル先を歩いていたはずのヤスくんとミサトがすぐ目の前に立っていた。
「いっ…、いかがわしいとかじゃないし…っ。
ちがう、ちがうっ!ねっ?」
そう言って見上げた彼は、なんだか楽しそうに笑っていた。
「寒い寒いって言うから。おしくらまんじゅうしようか、って」
「おしくらまんじゅうぅぅぅ?」
彼の言葉に眉根を寄せたミサト。
「なーに、ガキみたいなことやってんだよ。
恥ずかしいヤツだなぁ」
ミサトと同じような顔でそう言ったヤスくん。
彼はフッと口元を緩めると、
「恥ずかしいのはおまえのほう」
そう言って私を解放した。