俺の女は女神様!?




「と、とにかく!私、いいと言ってくれるまでここを絶対に動きませんから!!」

「…はぁ、わかったよ」

結局根負け。

「ほんとですか!?ありがとうございます!!」

「ただし!その扉とやらが開くまでだぞ」

「はい、はい!わかりました!!」

さっきまでの頑固とした態度とはうってかわり、万歳して喜ぶ自称“女神”。

大袈裟な。

「そこにいちゃ寒いだろ。中入れば?」

「…!な、なんと!!意外とお優しいのですね」

「失礼な。その格好だと寒いだろうなと思っただけだ」

ペガサス・レディゴットの格好は純白のノースリーブミニスカワンピース。

真冬だというのにそれ一枚じゃいくらなんでも寒すぎるだろ。

しかし当人はいたって平然としている。

神の中では普通なのか。

「なんか飲むか?」

俺の言葉にキョトンとするペガサス・レディゴット。

「飲み物だよ」

「…飲み物…とは?」

「は?知らねぇの?」

「言い忘れていました。神界に住むものは人間界の食べ物を口に含んではいけないんです。口にしたら最後、消滅してしまいます。神界や魔界のものは“死”というものがないので」

「なんだそれ。アダムとイヴみたいだな」

「なんですか?それ」

「人間界の昔話だ」

かくして俺は、なんと信じられないことに自分のことを“女神”だと主張する自称“女神”をかくまうことになってしまった。

期間限定付きで。

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