believe

▷▶︎春道side








「じゃあ、俺の女になれよ」





そう言うと一気に静かになった空間






別に乙夏をからかってるとかじゃなく本心からそう思っただけ







しばらくの沈黙を経て帰ってきた言葉は






「...は?...」



だけ。もうちょいなんかあんだろ、、






「なんだよ、嫌なのかよ」






ヤケになった俺は思わず心の言葉を口走った






でも、今日の俺はおかしい






今日あったばっかの女に告白みてえなことしてる








他の女だったら、‘‘鳳桜の総長”ってだけで食いついてくるのに







こいつは興味すらない。









言い方は悪いが、今まで女に苦労したことはなかった







だから、わかねえんだよ。


お前みたいなやつ





わかんねぇ手に入れたくなる






たった数秒。



そんな短い時間、答えが返ってこないだけなのに俺は勝手にじりじりして





「じゃあ、けってい」








なんて言っちまった。
顔には出てねえはずだけど












「で、どうするわけ?」





聖月のその一言でまた静寂に包まれる




「どうするって....」

困った顔の乙夏





なんだよ、なんで迷うんだよ







俺の女になるって言えよ。





そんな思いで乙夏をじっと見つめる









「え〜でも俺乙夏っちの男装も見たかったな〜」









うそだろ。


史上最悪のタイミングでの星也の一言



おまえ、後で締めるぞ




そんな星也の一言に上乗せするように蓮まで賛成してやがる








まじかよ。







いやでもそれは、乙夏が俺を選べばいいだけの話だ





落ち着く暇もなく、乙夏の答えを待つ









「私...きめた‼︎」







ゴクン



思わず唾を飲み込んだ



「わたし......」






心拍数が静かに上がる















「 男装する‼︎ 」







まさか、うそだろ。







どっかしらで俺の事を選ぶ。



なんて根拠のない自信があったのかもしれねえ











春道17年目のはる。初めて女に振られた瞬間だった。










春道side end◁◀︎










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