1/2~あなたに捧ぐ花言葉~





―――――――………


そんなこんなでやっと帰宅。


っていうか、






なんでついてきてるの……………?







「満桜ん家でかくね!?」

「親が社長だからね」

「お嬢様!?」

「そんなすごいものじゃないけど……」

「霖也うるさい」

「え、だって……!!」

「うるさい」


「………ハイ」



霜也の威圧の威力を知った。

静かになったから良かったんだけどさ。。。

怖すぎ。



「ただいま」

「「満桜ちゃん!」」

「心配かけてごめんね」

「大丈夫よ…」

「おかえり、満桜ちゃん」

「なんか、交差点で雨だったから…」


ズキッ



「…った………っ」

視界が…………廻る。。。。。



考えがまとまらない。



お母さんの顔がこんな時に浮かんで

しかも幸せそうに微笑う顔が



全てが廻る。



ぐるぐるぐるぐる




記憶も廻る。




でもまるで拒絶するように、思い出せない。




どうして?




あの時は苦しいくらいに思い出したのに



鮮明に、鮮烈に




何年も経ったはずの記憶が



感覚も全て






どうして………













「満桜ちゃん!!」

「思い出さなくていいんだ!」


気がついたら2人が私を抱きしめていた。



「満桜ちゃん……大丈夫だから…………」

「今は私があなたのお母さんよ……?だから安心していいの…………」











「さく、らさん……まさき、さん………」





少しずつ、頭の痛みが遠ざかる。。。



視界も戻ってきた。



お母さんの顔も次第にぼやける。


待って。


行かないで。。。





「満桜ちゃん」

「おかあ、さん?」

「満桜ちゃん!!」

「ぁ……………さくら、さん」

「満桜ちゃん、満桜ちゃんの好きなプリン買ってきたの、一緒に食べましょう?」

「うん…」


「後ろのお二人も、良かったらどうぞ」


そう言って咲良さんは花開くように微笑った。



『あぁ、いただきます……』



双子は見事にハモリ、みんなでテーブルについた。


< 61 / 67 >

この作品をシェア

pagetop