灰色の世界

オジサン

私が鏡を見ている時
ガチャッと音をたて、誰かがドアを開けた。

「御早う。」

彼は優しく落ち着いた口調で、私に挨拶をした。
私はドアの方を見て言う。


「御早う御座います。
オジサン」


オジサンはニッコリと笑い、部屋の中に入る。

「あとオジサン。
入る時に、ノックしてくれませんか?
いきなりは驚きます。」

これは何度も言っているコトだが…オジサンは覚えてくれない。

まぁ…

「驚いている様子は無いが?」

このやり取り、慣れたからいいけど。
< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop