レオニスの泪
等間隔に立っている街灯に、照らされる歩道。
のんびり、ゆったり、自然体な歩き方の神成と。
ギクシャク、ぎくしゃく、金属が触れ合う音が聞こえてきそうな位、緊張に支配されている私。
数メートル、沈黙が続いた後で。
「ー慧君は、賢い子だね。」
有り難迷惑にも、歩幅を同じにしてくれている隣の彼が、口を開いた。
「あり、ありがとうございます…」
「正直難しいだろうな、と思ってたんだ。彼を迎えに行くのは。」
苦笑する神成に、本当に申し訳ありませんの文字しか思い浮かばない。
「彼が機転を利かせてくれたお陰で、僕の嘘もバレずに済んだ。何かご褒美あげてね。」
「…はい」
俯いて返事をすると、神成はピタリと足を止めた。
「どうしたんです…」
「いつもの祈さんと違って随分大人しいなと思って。」
言いながら、私の顔を覗き込むもんだから、一気に顔に熱が集中した。