【完】向こう側の白鳥。
「……きっと何かの間違い。直ぐ終わるよ。」
本当のことは言えず、軽くごまかして教室を出た。
北校舎の階段の方で待っている沢渡先輩を見つけて駆け寄る。
そのまま沢渡先輩の後を続いて行けば、昼休みはめったに人気のない南校舎へと連れて来られた。
授業や部活中と違い、シーンと静まり返る南校舎に違和感を感じる。
ようやく沢渡先輩の足が止まり、私の方へ振り返った。
昨日と同じ、鋭い視線と大きな威圧感。
「離れろ。」
第一声はそれだった。
「今すぐ紫苑から離れろ。」
「アイツは、お前を見てない。」