【完】向こう側の白鳥。








「梅芽ちゃん?」





そのとき、私以外誰もいない昼の公園に一つの声が響いた。



もちろん、私の声じゃない。





「梅芽ちゃん……なわけないか。制服だもんね、梅芽ちゃんの妹かな?」





そう言って近づいて来たのは、栗色の髪を綺麗に結い上げている女の人……。





お姉ちゃんの友達……?





「初めましてー。あたし、桂木果穂(かつらぎ かほ)。梅芽ちゃんの友達なの。」



「は、初めまして! 妹の柚子です。」





この会話だけで、果穂さんが気さくで話しやすいことがわかった。





さすがお姉ちゃんの友達と言うべきか、服装や髪型も、大学二年生とは思えないぐらい大人びてる。








< 163 / 390 >

この作品をシェア

pagetop