【完】向こう側の白鳥。








果穂さん、お姉ちゃんの友達なのに、……お姉ちゃんが事故で死んじゃったこと……知らない?





「……まさか。」





そう思うけど、あの状況は正にそんな感じだった。



でもお姉ちゃんの同級生なら、クラスが違うくても知ってるはずなのに……。





…………思わず、手の中の紙を強く握りしめた。





さっきまで果穂さんの手の内にあった一枚の綺麗な紙は、その面影が無い程にクシャクシャになっている。





「……お姉ちゃんの、友達。」





冷たい風が吹いた。





空が曇り始めてる……やっぱり雨だ。



梅雨は嫌い。








……なんだか、嫌な予感がした。





雨がポツポツと、降り始めた。








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