【完】向こう側の白鳥。
先輩は急に立ち止まって、隣を歩いていた私が先輩を越し振り返ったところで、先輩は口を開いた。
「……運動部に、好きな人でもいる?」
……なんで、そんなことを聞くのだろう。
思わぬ質問、恋話に、私は答えられなかった。
「……あんまり、見ないで。」
風で綺麗に靡くミルクティーな金髪と、澄んだように美しい灰色の瞳が不安気に揺れる。
一直線の視線が私の視線と交じわって、鳴りやんでいた胸の激しい鼓動が、またもや鳴り始めた。
鼓動は、さっきよりも早い……。
「白鳥さん。」
先輩は大きな一歩を数歩歩いて、私の傍へと来る。