独占欲

 課長が出て行って閉じたドアを見ながら私は大きくため息をついた。まだ心臓がバクバク言っている。
 会議室のひんやりした空気は顔の火照りを冷ますには丁度いい。席に戻って課長の顔を見ても平気な振りを続けられるかどうか、自分でも少し自信がなかった。


 一晩中課長の声なんか聞いていたら、きっと私はどろどろに溶けて朝には原型を留めてないかもしれない。
仕事が終わって二人になった時にそう言うと、彼は身体を折り曲げて大笑いした。仕事の時はいつも厳しい顔をしているから涙を浮かべて笑う課長なんて見たのは初めてで、それだけで私は足が地面から浮きそうになる。


 実際に私がどこまで蕩けたのかは二人だけの秘密。とりあえずこの夜の私は最高の幸せを手に入れた。
 思っていた以上に甘い声も熱い視線も。
 今日からは、私だけのもの。








Fin.


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