蕾 〜A bud of fate〜


今自転車を死ぬ気でこいでます。

だってシロアリやだもん。

せっかくシャワー浴びたのに汗でびっしょり…

信じられん…


「そろそろ、公園やなー。遠いねん、公園。ほんま近くに病院作れや…」

病院の遠さに文句を言いつつ、病院の横の公園に着いた。


あいつらは…っと。


………?


「なんであいつらベンチで正座してんの…?」


俺の視界に入ったのは、
花朔と猫己がベンチで綺麗に正座してる光景だった。

とりあえず近づいてみると、花朔がニヤニヤしてた。
気持ちわるい。


「よう、花朔と猫己。遅れてすまん。」

「お前は死刑。」


いきなり花朔から死刑宣告されたわ。
死のう。

「ってのは冗談で。集まった事やし、病院行こうか。」

「ちょい待って。」


花朔と猫己が勢いよく立ち上がり、
病院へ行こうとするのを止め
聞かなければいけない事を聞いた。


「なぁ。花朔のそのバイトなのかよくわからないやつさ、どこから持ってきたん?誰かがやってくれって言ってきたん?」


そう。
どうやってこんな犯罪レベルの仕事を持ってきたのかって事をずっと聞きたかった。
別に昼間とか聞けたけど
聞くの忘れてた。


「あぁ、なんか朝イチに黒ずくめの身長が夜運君ぐらいの人が家の前に居て、紙渡された。これを君と華巳君と最牙君で盗んでって。報酬はいくらでもやるからって。もし断ったら華巳君が死にますって言われたから夜運を誘った。」


………え?

黒ずくめ…?
朝イチ?
しかも俺死ぬの?


「いやいやいやいや。意味わからん。なんで朝イチにお前の家に?しかもなんで俺達の名前知ってんねん。ていうか何で俺が死ぬねん!」


もう意味が分からなくなってきた…。


モヤモヤとウダウダ考え事をしていると

猫己が急に

「その黒ずくめなら夕方家に来たにゃ。」

っと言い出した。

なんで?
< 33 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop