もう絶対に君を離さない!!
その後の二人
あの日から、数か月がたっていた。

父さんは、俺に院長になるための、いろいろな知識を教えてくれるようになっていた。

実緒は何とか普通の生活ができるまでに、回復した。

パニック障害や情緒不安からくる過呼吸の発作など、もともと体が弱かったこともあり、

課題は、たくさん残されているが、俺が必ず治してやるんだ。

周りには過保護だと冷やかされるが、できる限り一緒にいられるように院内に俺専用の部屋まで

用意した。もちろん、実緒が体調を崩してもいいように準備もばっちりだ。

あの特別室には、もう次に入院する患者が決まっていたらしく、佐藤さんと山本さんは、

そのまま、専任のナースとして勤務することになっていた。

俺たちは、実緒の両親が残してくれたマンションに移ることになった。

3LDKで、父さんがずっと管理していてくれたらしい。

内装も設備も最新式になっていて、新築の高級マンションのようだった。

全ての物がすでに揃っていて、後は自分たちの私物ぐらいだ。

実緒とは、病院へ一緒に行き体調を診ながら、栄養士に料理のについて教えてもらったり、

調理師には、作り方を習ったりしている。

宮川さんが病院を辞めてしまったことを知った実緒は何日か元気がなかったが、

今は時々うさちゃんルームに行って、子供たちと折り紙したり、絵本を読んだりしている。

もちろん、原先生の許可をもらってだけどね。

新しく入ってきた保育士とも、上手くやっているようだ。

< 89 / 90 >

この作品をシェア

pagetop