影光 ーmoonlightー
きっかけは些細な事。
といっても夢叶からしたら、かなり大事らしい。
「手、洗った?」
「ん~」
外から帰ってきた時であった。
特に汚いものを触った、というわけでもないのだが
夢叶が俺にそう言った。
「洗ったの?」
「んーん。」
「洗って。」
「面倒…」
俺がそう呟いた瞬間、空気が殺気へと変わる。
「洗え。いい?外に行けばどれだけばい菌がいるのかわかっててやってるの?そもそもね、ハンカチぐらい使いやすいところに常備しとくものだよ?そんなバッグの中にいれてたらハンカチの意味なんてないでしょうが。衛生観念があるならもっとしっかりするべきです。」
現在の俺の年齢、24歳。
夢叶と同棲して半年。
これほどまでに夢叶が残念だと思ったことはない。
そう、夢叶は、衛生的な話になると途端に饒舌になり、
早口で言葉を並べる。
それが、唯一の夢叶の短所である。
といっても夢叶からしたら、かなり大事らしい。
「手、洗った?」
「ん~」
外から帰ってきた時であった。
特に汚いものを触った、というわけでもないのだが
夢叶が俺にそう言った。
「洗ったの?」
「んーん。」
「洗って。」
「面倒…」
俺がそう呟いた瞬間、空気が殺気へと変わる。
「洗え。いい?外に行けばどれだけばい菌がいるのかわかっててやってるの?そもそもね、ハンカチぐらい使いやすいところに常備しとくものだよ?そんなバッグの中にいれてたらハンカチの意味なんてないでしょうが。衛生観念があるならもっとしっかりするべきです。」
現在の俺の年齢、24歳。
夢叶と同棲して半年。
これほどまでに夢叶が残念だと思ったことはない。
そう、夢叶は、衛生的な話になると途端に饒舌になり、
早口で言葉を並べる。
それが、唯一の夢叶の短所である。