ずっと側にいてもイイですか?
君との出会いは突然だった
つまらない数学の授業。数学の授業は先生の声だけが教室に響いてつい眠くなる。ヤバイ、睡魔が私を襲ってくる。目を覚まさなければ!
睡魔と戦っている私の名前は、山中優紀。高校2年生、趣味は寝ること、性格は普通。良くも悪くもない、どこにでもいる女子。
その私の横でスラスラとペンを動かしているのは、福井葉月。葉月は私の大親友!2年生にして生徒会の副会長をしている、しっかりした女の子!でも少し恥ずかしがりやなところが可愛いい!
とか、考えてたら
「山中!ここの問題を読んでみろ。」
うわ!ついに当てられてしまった。
「え〜と、どこですか?」
と、私は教科書を持って先生に聞いた。
「ちゃんと、話を聞いておけ!もういい
。福井代わりに読んでくれるか?」
そんなに怒んなくたっていいじゃん!
葉月は「はい」っと言って問題をスラスラと読んだ。
キーンコーンカーンコーン。
やっと終わったー!チャイムが鳴った時の解放感といったらハンパじゃないな。
「優紀、また先生に怒られてたね(笑)
しっかり、先生の話聞かなきゃだめだ よー。」
葉月は、人差し指で私のほっぺたをつんっと突いてニッコリ笑いながら言った。
本当に葉月は可愛いな〜。
「葉月は凄いね〜、あんなつまんない授 業よく聞いてられるね。」
そんな話をしていると、
『山中優紀さん。至急資料室まで資料を
持ってきてくるように』
と放送が入った。
忘れてた!今日、私日直じゃん!
私は、急いで先生の机にある資料を持って、資料室まで運んだ。
はぁ〜疲れた。なんで2年は3階にあるのよ。すると、ガチャっと閉まっていた扉が開いた。
「君、山中さんだよね。」
と、彼は爽やかな笑顔を向けながら私に言った。なんで、私の名前知ってるの?
私は、彼にそう聞こうとすると、
「俺、2年1組の三月作って言うんだ。
よろしくね。さっき放送で山中さんの
名前聞いたから、もしかしたら山中さ
んかなって思ってね。」
あ〜、放送ね。それなら納得だ。
私は、2年2組だから隣のクラス。三月くんは、同い年とは思えない色気だな。少し乱したネクタイに少し長めの茶色い髪の毛。まるで、大人みたい。
「あ、そうだ。今日のお昼一緒に食べな
い?山中さんの友達も誘って。俺も
親友連れて行くからさ。」
男子から初めてお昼に誘われてしまった!こんなにいきなり!
でも、三月くん面白そうだしお昼一緒に食べようかな。葉月も誘って。
「いいよ。お昼一緒に食べよ!」そういってお互い教室に戻って、私は葉月にお昼のことを説明すると、あっさりいいよと言ってくれた。
そして、昼食の時間。三月くんとは食堂で集合になってるから、食堂に行ったら、三月くんと、横に居るのは三月くんの友達かな?もう椅子に座って席を取っておいてくれた。
「山中さん達、こっちこっち。」
三月くんは、手を上にあげ私達を呼ぶ。
席に着いた私と葉月に三月の隣にいる男の子が、
「初めまして。田山新太です。よろしく。」
田山くんは、微笑みながらペコりと頭を下げた。制服は三月くんとは正反対にきちんと着こなし、髪の毛も短い方だと思う。顔も三月と同じくらい整っている。
田山くんが紹介した次は、三月くんが葉月に、
「三月作です!君は、副会長の福井葉月
だよね!よろしく!」
葉月は副会長だけあって、顔が広い。
だから、学校の半分の子は葉月のことを知っていると思う。
「福井葉月です。こちらこそよろしくお
願いします。」
と少し照れ気味に言う。
その後は私も、紹介をした後、昼食を食べた。
昼休みは4人で話をした。
三月くんが私の顔をじっとみて、
「ねぇ、山中さん。」
「何?」
と私は三月くんに聞き返す。
葉月と田山くんは仲良く話をしている。
葉月はちょっと照れてるけどね(笑)
「山中さんって、何か硬いからゆうちゃ
んって呼んでもいい?俺のことはみっ ちゃんって呼んで!」
三月くん‥‥じゃなくてみっちゃんは机に肘をついて、顎を手に乗せ私を見ながら、言った。か、可愛い。
「みっちゃんは今彼女いるの?」
私は無意識の内にそんなことを聞いていた。なんか、みっちゃんのこと好きみたいになってるじゃん。
「いないよ〜、ゆうちゃんは俺のこと
好きなの?(笑)」
んな訳ないでしょ!今会ったばっかだよ。
「す、好きじゃないよ!今会ったばっか
なんだから。」
私は、前髪を直しながら目線を逸らして言った。自分でも顔が熱いのが分かる。
「んな訳ないよね。」
みっちゃんは、笑いながらそう言った。
昼休みも終わり私と葉月は教室に戻って、5時間目の授業をする。始まってしまったよ。この最悪な時が。5時間目は歴史。歴史は話ばっかだから、数学よりも眠くなる。そして、私はついに睡魔に負け、寝てしまった。
「‥‥うき、‥‥優紀。起きて。」
ん?あれ?今何時?私はゆっくり目を開ける。
「やっと起きたね。もう3時半だよ。」
「え!もう、3時半。だから葉月以外誰
もいないんだ。」
今日は、水曜日だから5時間目で終わり。あ!そうだ私日直だから、日誌書かないといけないんだ。面倒くさい。はぁ〜
「優紀、私今日は生徒会で定例会議があ るから、日誌手伝ってあげれないから 、頑張ってね。終わったら先に帰って
てね。」
そう言って、葉月は鞄を持って教室を出て行ってしまった。
カチッカチッカチッ。時計の音とペンのスースーという音だけが教室に響く。
なんか、1人って寂しいな。日誌を書き終わる気配すらない。すると、
ガラッと扉が開く。
「みっちゃん!どーしたの?」
私はドアの方を見てびっくり。みっちゃんが息を乱し、膝に手をつけながら、
「やっと見つけたよ。ゆうちゃん今日
日直だっけ?資料室に資料運ばされて たもんね。」
みっちゃんはそう言って私が座ってる前の椅子を私の方に向けて、私の筆箱からペンを出して、日誌を書き始める。
「いいよ!手伝わなくて。悪いよ!」
私は、手を横に振りながらみっちゃんに言った。すると、みっちゃんは私の手を掴み、真顔だった顔がすぐに笑顔になり、「俺だって、暇なんだよ〜。これくらい手伝わせてよ!(笑)」
なんだ、この笑顔は!可愛すぎるんだよ、君は!何者なんだ!
すると、あっと言う間に日誌は書き終わった。私は、手を上にあげて「ん〜!」
と伸びる。
「やっと終わったね。じゃ帰ろうか」
みっちゃんは私の鞄を持ち上げ、
「送ってくよ。」
と言って、歩いて行った。
私は、それを小走りで追いかける。
私は靴を履いて外に出ると、みっちゃんは自転車の後ろをぽんぽんっと叩いて、
「乗って、乗って」
結局私は自転車に乗せてもらい、家まで送ってもらった。そして、みっちゃんは自転車に乗って、「また、明日も一緒にご飯食べよーね。バイバイ」
と言って、私はみっちゃんに手を振り、そのまま、みっちゃんは自転車に乗って消えて行った。
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