暴走族に愛された不登校女子。







直樹が病院に運ばれた後、待合室でそわそわと検査が終わるのを待った。



「……湯口」



そんな落ち着かないあたしのところに美沙と小呉がやってきた。



「あんたのおかげね。


智…と、やり直せたのよ」




そう呟いて、幸せそうに微笑んだ。




「許せない相手だろうけど、私は感謝している。


それからずっと…ごめんなさい」





「……美沙」



小呉があたしの隣に座って、少しだけ震えていた。


美沙がまだ怖いのかも知れない。





「もう2度と、大事な人を手放さないでね?」


「えぇ。勿論よ…」




「…でもよかったね」



「……本当。夢見ていたわ」



< 267 / 304 >

この作品をシェア

pagetop