暴走族に愛された不登校女子。
「…」
あほらしい。
そんな夢みたいな話ありえない。
あたしは生涯孤独なのだ。
誰からも愛されることはない。
お母さんの冷たい視線からただ目を逸らして眠りに着くだけ。
むかむかした感情が胸に溜まる。それを紛らわすように石を手にとって、軽く上に投げた。
それだけでキャッチボールのような感覚で遊べるのだ。
1人っ子は遊び相手がいないからこういうことも出来るんだよ。
虚しい事を考えていると、遊びに飽きて寝転がる。
「王子さま…いないのかな…」
星空に向かって、ぽつりと呟いた。
「……いたらどーする?」
風が一瞬音もなく吹いて、その声が聞こえた。