冷酷男子の溺愛






「どうした?」


そっと、彼の方を向くと、やっと満足したのか、とても柔らかく笑っていた。




「なんかわたし、もう好きすぎて、心臓痛いんだけど」

「ふっ、なにそれ」



わたしね、本当はどこかで思ってたんだ。

こうして、付き合えたとしても、わたしたちは友達だった頃と変わらないんじゃないかって。



でも、彼はいつもならありえないくらい可愛い甘え方をしてくるし

わたしだって、驚くくらい、素直に彼を受け入れている。


お互いがお互いを、必要としているから、こんな日常ですら、楽しい。



ーーでも、わたしばっかり好きになりそうで悔しいから。



< 315 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop