前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「おい祐介、あんま礼二を虐めんなよ。
お前はすげぇ脅威な存在だからな(笑)
ミカの事は俺らにとったら本当の妹みたいなもんだ。ガキの頃からずっと成長も
見てきたしな。
だから、ミカの事頼むなっ!
お前が診てくれれば大丈夫だろ?
キレイな体に傷なんか残したら
可哀想だからな…」


「ああ、任せとけ。
もし、傷が治らなかったら俺が責任取って貰ってあげるからね
ミカちゃん(笑)
それが嫌なら毎日欠かさず通うこと。
わかったかな?
さて、そろそろ冷やさないと。
1時間はここでアイシングしてってくれない?1時間たったら湿布を貼って
包帯巻くからね。
今日は健夫に巻いて貰って?
俺はこれから手術でちょっと
時間かかるんだ…
健夫は時間平気か?
もし無理そうなら誰か他の先生に
頼んでおくけど??」



「ああ、任せとけ!大丈夫だ。
俺は今日は朝から手術でずっと
入ってたから
自分の担当患者の様子を見たら
上がる予定だったし…
なぁ、祐介?2人を上に連れてっても
いいか??」


「悪いけど、よろしく頼むなっ!
ああ、構わないよ?
アイシング終わったら少しだけ
圧をかけて巻いてくれ…
それと、今日は入浴はダメだよ?
明日の朝、軽くシャワーを浴びて
学校行く前に病院に寄って。
湿布を貼りかえて包帯を変えるからね。
俺は今日は夜勤でここにいるから
何か変わった事あれば夜中でも
連絡してくれて構わないから…
それと、何日かは朝来て
夕方また来ること。
あと、出来れば前開きの服を
着ておいで?腕を上げなくても着替えが
出来て楽だからね(笑)
徹底的に冷やして
まずは炎症を早く取ろう。
本当なら1ヶ月は竹刀なんか振れない所を5日後からやるってんだから
我慢できるよね??」



優しく問いかけるように櫻井先生が
言うと、ミカはニッコリ笑って



「はい、先生。よろしくお願いします」


と頭を下げた



すると、櫻井先生は新しい氷袋を
用意すると手際良くさっきと
同じようにしてベルトをかけて
ミカの背中に当てた



「じゃあ、俺は行くから…
後は、健夫頼んだよ?」


と、言うと颯爽と診察室を出て行った



あれは普通の女ならまず
惚れるだろうな…



爽やかで、紳士だからカッコつけてる
ように見えてあれが素なんだよなぁ〜



俺には出せない雰囲気だ…



ミカは大丈夫だろうか??



うん、見たところ大丈夫そうだ(笑)



「さて、俺は自分の担当患者を見てくる
から少しここで待っててくれないか?
兄貴も呼んでおくから……
後でじっくり話は聞く。
ミカのその怪我についてもじっくり
聞かせてくれよ?
場合によっては、腕の一本や二本
へし折ってやるわっ!!!!!!」



と言うと診察室から出て行った。



「た た たけおくんはお医者さん!
治すのがお仕事でしょ…」
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