前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
橘美佳
目を覚ますと私はベットで寝てた

あっ、そうだ私テンちゃんのとこに
泊めて貰ったんだ…

起き上がろうとしたら全身筋肉痛で

いたたたたたたたっ

昨日の熱のせいで節々が痛い

1人で悶絶してると

ドアがゆっくり開いた…

「起きたの?ミカ??」

と優しく微笑んでテンちゃんが
側に寄って来た

その後ろに健夫くんもいた

「おはよう。ミカ
よく寝れたか??」

「天ちゃん、健夫くん、ありがとう
おかげさまで良く眠れました」

とニッコリ笑うと

健夫くんが診察してくれた


「どう?健夫??」


「ん?ああ、もう大丈夫だ。
熱も平熱に下がってる。
ただ、無理は駄目だぞ!
ミカ、風邪じゃなくても
身体とか心が疲れてもこうやって
熱が出る事があるんだ。
今回はどちらかというと後者だ。
今日はテンとゆっくり
過ごすといいよ?
テン?ちょっと丸山さんの事が
気になるから下に行ってくる
すぐ戻るから!」


と言って健夫くんが部屋から出ていった


「え?うん!わかったわ健夫!
ご飯用意しておくわねっ!
いってらっしゃい!!
ミカ!聞いて〜! パパがねっ
今日のテンの業務は
ミカの看病だって(笑)
つまり、休んでミカの側にいても
いいって!
今日は礼二が迎えに来るまで
家でゆっくり過ごそうね?(笑)」



「テンちゃんありがとう!
ごめんね?私のためにお仕事……」



「いいの、いいの!
私がミカと過ごしたいんだから!
帰国してからゆっくり
会えてなかったしね?
健夫もいったん病院に戻ったけど
すぐ戻るし、夜勤明けだから
ご飯食べたら寝ると思うから!(笑)
あっ!鍋に火かけっぱなしだった!
ご飯出来たら呼ぶわね?
それとも先にお風呂入る?」


「お風呂入りたい…」


「よしっ!
じゃぁお風呂沸いたら呼ぶから
それまでゆっくりしててね!」


と言って優しく微笑んで
部屋から出て行った。



うちのパパは外交官なので
海外出張が多かった。
海外に赴任するのは
私が生まれてからは初めての事で
それがアメリカだった。


健夫くんの両親とうちのパパ達は古くからの付き合いで仲が良かったから
小さい頃から健夫くん一家の事は
良く知ってた。
明夫くんにはお風呂まで入れて貰ってたらしい…(笑)


大好きなお姉ちゃんとお兄ちゃんだったから結婚式に出られなかったのが本当に残念だったんだけど。


変わりに新婚旅行でウチに寄ってくれた


正人君や由里子さんは年に1度遊びに来てくれてたんだけどね!


正人君とうちのパパは一卵性の双子で
私たち家族と健夫くん一家の人たち
くらいしか見分けがつかないほどで
テンちゃんも私もパパ似だから
小さい頃から良く似てると言われてた。


テンちゃん達と会うときは
前髪をピンで止めて顔を出していたので
私が普段は目立たないように下を向いて
歩いてたなんて2人はわからないだろうけど…


テンちゃんは昔っからお人形さんのように超絶に可愛くて…
こんな可愛いテンちゃんと
私が似てるハズがないと
思うんだけどなー


健夫くん兄弟も小さい時から
凄くカッコ良くて優しかった。
2人の柔道の試合の応援に
行った時もあったし…


でもまさか、テンちゃんと健夫くんが
こんなに仲良くなって結婚するとは
思わなかった!!
しかも、健夫くんは医師になって
安藤家の婿養子に入ってくれたなんて
昔の2人の仲を知ってる私は本当
ビックリした!


テンちゃんは健夫くんを嫌ってたし…


私もテンちゃんといる時の健夫くんは
なんかおかしいな?
といつも感じてたけど…


健夫くんがテンちゃんの事が
好きっていうのは
コッソリ健夫くんが教えてくれたから
知ってたけどね!



ともあれ、私の大好きな2人が家族になってくれて嬉しいよ!
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