前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「ミカ〜!お風呂沸いたよ〜!」

とドアの前でテンちゃんが私を呼んだので

よっこらしょっと立ち上がった


頭がまだ少しフラフラするけど
もう大丈夫みたい。


気付けば昨日の服のままだった

うわぁ〜

ベットが汚れちゃう!!

私は部屋から出ると


「テンちゃんごめんね!
汚ない服のままで
ベットで寝ちゃって…」


「なに言ってんのよ〜!
昨日はミカは着替えられる状態でも
なかったんだし…気にしないで!!
その服は洗濯しとくから脱衣所に
置いといてね?(笑)
それと、この服と下着使って?
ミカが具合悪いって知ったママが
夜来てこれ置いていったの。
私と色違いの服なの(笑)
ほら!小さい頃良くペアルックにさせられたでしょ?
ママ思い出しちゃったんじゃない??
着てあげて?」


と言って
バスタオルと下着と
七分袖の薄紫のワンピースを
渡してきた。
シンプルなデザインだけど
可愛らしいワンピースだ。


「何から何までごめんね?
ありがとう!!」


「私はミカの事は従姉妹というよりも
本当の妹と思ってるからね?
だからもっと甘えていいのよ??
昔っからミカは控え目でワガママも
言わない子だったから
無理してるわけではないって
わかってるけど、こんな時くらいは
私の好きにさせて?
だって、私はミカが本当に
かわいいんだからねっ(笑)」


「では、お言葉に甘えて…
お風呂入ってくるね?」


「うん。いってらっしゃい!」


私だって、テンちゃんを本当の
お姉ちゃんと思ってるし
健夫くんの事だって頼りになる
お兄ちゃんって思ってるからね



でも、ママもパパもいない今
テンちゃんの言葉はとても
嬉しかった…


ありがとう…


私はしっかりと身体を洗って
湯船に浸からせて貰って
洗濯物もカゴに入れさせて貰って
お風呂から上がった



何から何まで申し訳ないんだけど
今はとことん甘えないと
天ちゃんが心配するしね



「ミカ〜
上がったの??
こっちおいで〜!」


テンちゃんの側に行くと


「ここに座って!」

と言うのでソファに腰をかけると

ドライヤーで髪を乾かしてくれた


「こうしてると
昔を思い出すね?(笑)」


と私の顔を覗きこみながら
ニコッと笑ったテンちゃんは
とびっきり可愛かった。



その後、テンちゃんの作った食事を
3人で食べた後


健夫くんはシャワーを浴びて
出てくると


「天、じゃぁ俺は寝るから
何かあったら起こして…
ミカは病み上がりなんだから
お茶でも飲みながら
ゆっくりしてること!(笑)」


と言って優しく微笑むと
寝室に入っていった。


健夫くんかっこいいなぁー


レイジと同等に見えるイケメンって…


明夫くんと健夫くんくらい
じゃないかな(笑)


それくらい珍しい程に飛び抜けた
容姿だよ……


健夫くん…
お仕事お疲れ様!!
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