桜の木の下で
「もしもし?結?着いた?」

「あ、舞?今着いたよぉ」

「分かった、迎えに行くね~」

「うん、お願い」

居酒屋の入り口付近で舞を待つ。

「結~!お疲れ!」

ほどなくして舞が駆け寄ってきた。

「お疲れ~、遅くなってゴメンね。ところでどんなカンジ??」

相手を自分の目で確認する前に舞に聞いた。

「う~ん・・・普通かな。でも悪くはないよ。どちらかといえば大人しいカンジかな」

舞は席に案内するまでに率直な感想を私に教えてくれた。

そして席に案内された「こんばんは~・・・遅くなってスミマセ~ン」

席について男性陣3人と挨拶をした。

ふぅ~ん。舞の言うとおりかな。悪くなさそう、むしろイイ人そう。

「じゃ、全員揃ったから改めて乾杯しよっか」男性陣の幹事がそう言って「カンパーイ!!」

会社から直接車で参加した私はノンアルコールカクテルを頼んだ。

自己紹介をしていったら男性陣は1つ年上の井上拓也くんと水野純くんの2人、もう一人は同い年の長谷川直くんだった。

だから話が合うんだなぁ。私は大人の男性がイイって常日頃から言ってるけど、それでも同い年の方が話が合うってことがここで分かる。

ちなみに舞は同い年か一つくらい年上が好みだからちょうどいいんじゃないかな。

同い年の長谷川直くんは、少しおとなしい。

一つ年上の拓也くんと純くんの2人にだいぶ構われているみたいだ。

直くんが突然私にメニューを差し出した。

「え・・・?」

「あ・・・グラス空いてたから・・・。次何飲む??」

「あ、ありがと。じゃあコレ」

指さしたものを店員を呼んで頼んでくれる。

気が利くんだな、直くん。

いい人だな。すっごくいい人なんだな。

同い年ということと隣に座っていることもあって私は直くんとずっと話していた。

仕事何しているの?
好きな芸能人は誰?
趣味は何?
どんなタイプの人が好き?

お決まりな質問ではあるけど、お互いそんな話をしていた。

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