Sweet Christmas Eve♪
「漣、ありがとう」
『なにが?』
いきなりお礼なんか言ったから戸惑ってる。
「うん?なんでもいいじゃない。『ありがとう』って言ってるん だからそのまま受け取っておいてよ」
裏方の気持ちも分かってくれる漣が嬉しい。
たまに、ほんのたまにメイクやスタイリストを全く眼中になくロケ先で食べ過ぎたり飲み過ぎたりして肌荒れや衣装が大変なことになって、あわあわする場合がある。
そして、こちらに怒鳴り散らしたり。
漣は一切そんなことはなくプロ意識が高い。
そんな漣だから尚更惹かれる。
誇らしく思う。
『ハハハ…変なの。じゃあ、どういたしまして』
「うん。漣…」
『ん?あ、ヤバッ!充電切れそう』
「じゃあもう切るね」
『いや、勝手に切れるまでこのまま話そう。それも面白い』
「大丈夫なの?」
『ん。で、なに?』
「なにが?」
『今、なんか言いかけた』
「うん、別に」
なんか出鼻くじかれちゃったような。
『なんだよ?気になる。言ってよ』
「う~ん」
『瑞希』
「…愛してる。誰よりも漣、貴方を」
ツーツー
あ、切れちゃた。
今の聞こえたかな?
それとも…
聞こえなかった方がいいかも。
素直な気持ちだけど、やっぱり言葉にするのは恥ずかしい。
でも、クリスマスだから。
素直に…