唯一の純愛
元来私は、策を練るのが好きだ。
それは、遊びに限らず、仕事や恋愛においても同じだった。

悪く言えば、他人を駒のように使い、自分に都合の良い状況を作り上げる。

ただ、人一倍の策士でありながら、人一倍の面倒臭がり屋でもある。
なので、練り上げた策の大半は実行される事はない。

ただし、駒を得た時は無類の戦上手。
そんな人間だった。

私は、彼を雑用係とする事で、策に集中出来る状況を作ろうとしていた。

幸い彼は、私とは正反対だった。
常に受動的で、能動的に行動する事を避けるタイプの人間だった。

それはある意味、賢い生き方なのかも知れない。

誰かの指示で動くというのは非常にリスクが少ない。
もちろんその分、リターンも少ないのだが、欲張らなければこれほど楽な生き方はない。

私のように、野心に満ちた人間には真似出来ない生き方だ。

どちらが正しいかをここで論じるつもりは無い。
恐らくどちらも正解であり、どちらも間違いなのだろうと私は思う。

ケースバイケースで使い分けるのが理想なのだと考えている。
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