唯一の純愛
中学生の頃、妻は不登校だったそうです。
虐められていたそうです。

なぜかクラス中から嫌われていた。
全員に無視された。
原因は解らない。
妻はそう言っていました。

友達だと思っていた人物に
あんたは頭がおかしい
精神病だ
とも言われたと。

親に相談したこともあるそうです。
しかし、妻の両親は理解を示さなかったようです。

両親にとって、虐めは不登校の理由足り得なかったようです。

結果として、妻は両親を信用しなくなりました。
この事は、大人になってからも妻を苦しめていました。

虐めというものは、虐められた人間にしか、その苦しみを理解することは困難だと思います。

ある程度の想像は出来るでしょうが、理解となると難しいでしょう。

私自身、どちらかと言えば、虐める側の人間でしたので、理解しきれてなかったと思います。

理解出来ずに、想像だけの綺麗事では、虐めに苦しんでいる人を救う事は出来ないと思います。

虐められている人は、その辺を敏感に感じ取れるのではないでしょうか。

専門家ではないので、偉そうな事は言えませんが、虐められている人というのは、他人の顔色をうかがう傾向にあるような気がします。

虐められたからそうなってしまうのか、そういう性格だから虐められてしまうのか、私には解りません。

私自身、やはりオドオドしてる人を狙って虐めてたように思います。

飽くまでも、私はそうであったと言うだけで、虐めの原因が全てそうだとは思っていません。

実際、全く謂われのない理由で虐められている方もおられることでしょう。

そのような方にかける言葉を、今の私は持ち合わせていません。

今はどうあれ、一度でも虐めに加担した人間が、何を言ったところで、それはただの綺麗事でしかないでしょうから。
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