よくばりな恋


「すみません大石先生、お手数をおかけしました。斯波先生も」

ぴょこんと頭を下げて、立ち去ろうとする。

「翠ちゃん、うふふふ・・・・・これ使いなさい」

含み笑いをしたちはやさんからタオルハンカチを渡される。院長先生について来てたんだ。

「・・・・・?ありがとうございます・・・・・?」

「いいのよ。翠ちゃんにあげるから好きに使いなさいね。うふふ・・・・・」

そう言ってわたしの鼻の頭を人差し指でツンと押し、院長先生と斯波先生の方へ足を進めた。

手近なトイレに入って鏡を見ると、大石先生に指摘された通り乾いた血で鼻の周りが汚れていて、慌てて顔を洗って血を落とした。カッコ悪い・・・・・・・・・・。
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