よくばりな恋
「大丈夫やから・・・・・心配かけてごめんなさい」
コンコンとノックの音。
「目が覚めた?」
ずうっと聞きたくて、聞けなかった声。
会いたくて、会いに行きたかったのに、会えなかった人。
ベッドサイドまで来ると、わたしの左手をそっと触る。
「倒れこんだときにマグカップの欠片で手のひらを切って3針縫ってるから」
「はい」
「頭も打ってるから、今晩一晩は入院だ。詳しい話は脳外の先生がすると思う。とりあえず今、気持ち悪いとか痛くて我慢できないところない?」
首を小さく横にふる。
「じゃ、なんかあったらまたナースコールして」
踵を返して部屋を出て行く。
「なんか愛想なし」