よくばりな恋


苦労して頭と身体を洗って、先生のTシャツを借りて着る。ワンピースみたいだ。

おずおずとバスルームから出ると、先生がソファーに座り、ビールを飲みながらテレビをみていた。

「ビニール外してやるからおいで」
かけられる声が優しい。隣に座ろうとすると膝に抱き取られた。

「せ、先生・・・・・!子供やないんやから・・・・・」

先生がビニールの結び目をほどく。長くて綺麗な指・・・・・

「翠」

ずっと聞きたかった甘い声。

「もう離れていくなよ。帰って来た時におまえの痕跡が全部消えてるなんて二度とごめんやから」

胸がいっぱいになって言葉が出なくて、先生の首にしがみついた。まだ少し湿っている髪の毛をかきあげて、首筋に先生がキスを落とす。
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