よくばりな恋


翌朝、起きたときになんとなく喉に違和感を感じた。わたしは子供の頃から扁桃腺が弱い。朝ごはんを軽く食べ、念のために薬を飲んでおく。

いつものように更衣室で着替えをしていると、なんだか周囲の人がやたら笑顔で挨拶をする。疑問に思いながら廊下を歩いていると、タイミングがいいのか悪いのか藤原先生とバッタリ出くわした。

「おはようございます、藤原先生」

「おはよう。昨日はごめんね」

さっぱりした性格なのか、爽やかに笑う。わたしたちの横を通り過ぎる看護師さんや職員さんがチラチラと見ては通り過ぎる。

「なんでしょうね?」

「さあ?」
2人で顔を見合わせる。藤原先生も不思議そうだ。

向こうから斯波先生と外科部長が歩いてきた。藤原先生と「おはようございます」と頭を下げる。

外科部長は軽く手を上げて、斯波先生はわたしたちを一瞥して
「おはようございます」
と返した。
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