memoria/primo amore【BL】
 
 あの笑顔を思い出すと、今でも胸がドキドキする。

 笑顔しか思い出せないのが悔しい。

 そんな想いを抱いていた日々が、幼い頃の思い出が、たったの数時間で消えてしまった。

 更地となってしまったそこを見た途端、遥隆の中で何かが崩れた様だった。

 何でも、新しくアパートが建てられるらしい。

 その日の夜、彼は父からそう聞いた。
 





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