私と二重人格の僕





帰宅



「あら、おかえり。部活休みだったの?」

僕はリビングにあるソファーに腰掛け一息ついてから、

「ただいま。いいや、休んだ。」

と母に返事した。

「…ヒロヤね。またなんで休んだの?」

「色々。」

「そう、それで今日はどんな感じだった?」

母はキッチンからお茶を持ってきてくれた。
そのお茶を受け取り

「今日は、朝練が終わってから今までずーと僕だったよ。」

「珍しいわね。朝に1度、学校に行って朝練が終わってから放課後にそして今に....1度。」

と母は毎日欠かさず書いている人格の医療書にメモしていた。

「ふぅ、疲れるよ....。桜空が本当の人格なんだし僕が登場するのはいつだって数分間くらいでいいのに。」

「そうかしら?私はヒロヤも本当の人格だと思うんだけれども…。」

「体は桜空だ。」

「体は、でしょ?心はヒロヤと桜空のものよ。」

「考えも人それぞれだしなぁ。早く、桜空にバトンタッチしたいよ。」

「ふふ....お疲れ様ね。昼寝とは違うけど少し眠ったらどう?」

母の提案に僕は頷いて、ソファーに寝転び軽く寝付いた━━━━




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