コワレモノ―人類最後の革命―
「さて、誰からやる?」

翌日。登校するなり、黒田が問いかける。

「別に誰でもいい。どうせ後で全員やられるから」
「じゃあ、やりやすい奴からやっていくか」
「一番やりやすいのって…誰?」

黒田は少しの間考えた後、指を鳴らして言った。

「氷室雪乃、だな」
「…アンタそんなキャラだっけ?」
「これが夢壊しの方法なんだよ」
「え?」
「アイツは、こんな感じでカッコつける奴が無理らしくてな。詳細は知らないけど、過去にそういう犯罪に巻き込まれたりしたんじゃないか?」
「確かに、それならトラウマになるな…」
「今のところ俺らが弱点を把握してるのは氷室だけだから、オススメしとくけどどうする?」
「…それでも、なかなかの強敵よね?」
「当たり前だろ。今回の事件の主犯格の腰巾着だぜ?」
「たかが付き人、されど付き人ね…」

チャイムの音が聞こえる。

「あ…」
「ヤバ…」
「授業…始まってるよな?」

大急ぎで教室へと向かったが…。

「やっぱり…」

教室はもぬけの殻。次が音楽の授業だということを、すっかり忘れていた…。
< 74 / 120 >

この作品をシェア

pagetop