アロマティック
「デリケートな問題だから、直接永遠に聞いた方がいいよ」

 な? 朝陽が、空と天音に同意を求める。

「そうだね」

「それが一番ですよ」

「あっわかった!」

 完全に蚊帳の外だった聖が、遅まきながら思い出したらしい。手を叩いて立ち上がり、目を輝かせている様子に、危険を感じた他のメンバーも立ち上がる。一斉に立ち上がる皆に驚いたみのりが顔をあげた。

「聖ちゃん黙って!」

「それ以上は」

「待て!」

 手を伸ばして慌てて止めに入る仲間にも構わず、

「ティーカッププードルの春子さんだ! 小さくて可愛いわんこ」

 思い出してすっきりした聖が、弾けるような笑顔を浮かべていた。対照的に、空、天音、朝陽はがっくりと脱力している。春子の正体を聞いたみのりは、愕然としていた。

「………」

 ティーカッププードル?
 春子さん、犬?

 え?
 犬???
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