アロマティック
 髪型が乱れるのも気にしないで眠っている。
 いくら疲れてるっていっても、気がゆるみすぎじゃない!?

 深く負った傷を思い出したくないから、避けるように男と距離を置いてきたのに。
 いつだって永遠は不意打ちで。
 振り回されるだけで精一杯で、それに対応するだけで息切れして。
 過去すら思い出す余裕がない。

 心の傷はいつか開く?
 開くことはないの?
 わからないから、怖い。

 この先どうなっていくのだろう?

 問いかけても返ってくるのは沈黙だけ。
 家に着くまでの間、みのりは足に温かな重みを感じながら車に揺られていた。
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